美しい見た目から繰り出される振り切った怪演に、「松本劇場」という言葉を生んだドラマ『やんごとなき一族』(フジテレビ系)から2年。松本若菜の2024年は、芸歴18年目にして『西園寺さんは家事をしない』(TBS系)『わたしの宝物』(フジテレビ系)と、ゴールデンプライムタイムの連続ドラマ主演を連続で務めた、重要な年になった。飛躍を続ける松本さん。そのTHE CHANGEを改めて聞いた。【第1回/全4回】
「マクロファージさん!」。
出演映画『はたらく細胞』のファミリープレミアイベントが取材同日に開催され、登壇終わりのバックステージに、白の衣装を上下に身を包んだ松本さんが、姿を見せた。
体内で病原体から体を守ろうとする、細胞たちの姿を描く同作。松本さんは細菌などの異物を捕らえて殺し、抗原や免疫情報を見つけ出す体内細胞の一種であり、ふわふわな白い衣装に身を包んだ“マクロファージさん”を演じている。
「(イベントに)お子様たちも来てくれていたので、白の衣装のほうが分かりやすいかなと思って」と話す松本さん。ちょうど帰るところだった血小板役の子役・マイカピュちゃんと泉谷星奈ちゃんが「おつかれさまでした!」とあいさつに来た。「おつかれさま」と手を振る松本さんの表情が優しい。
──人気キャスト勢ぞろいの本作ですが、白血球は佐藤健さんが演じています。松本さんと佐藤さんといえば、おふたりが姉弟を演じた『仮面ライダー電王』(07)を思い出さずにいられません。
※『仮面ライダー電王』は松本さんのデビュー作。
「同じ作品に出演するのは久しぶりでしたが、実はプライベートでは何回か会ってるんです」
──そうなんですね!
「いい子なので“忙しいでしょう”とか体をいたわってくれるんです。“いい子”と言ってしまいましたけど、どうしても弟を見ている感覚なんですよね。勝手にずっとそう思っています。
とはいえ健くんも素晴らしい役者さんになられていますから、リスペクトしていますし、お互いの立場で話さなきゃと思うんですけど。ついつい私も“ごはん食べてる?”とか、いらない姉ごころで聞いちゃいます」
──『はたらく細胞』では共演シーンはありませんでしたが、ポスターやチラシでは写真や名前が並んでいます。
「同じシーンがあったらもっとよかったんですけどね。でも名前が並んでいるのを見るだけで懐かしい気持ちになります」