髪を切ったことも自身の転機に
それまではロングヘアだった倉科さんだが、若干の違和感を抱えていたらしい。
「みなさんのイメージとちょっと違うかもしれないんですけど、私自身、あんまり“女子”していないんですよ。だから気持ちと髪形がちょっと合っていなくて、短くしたらすごくしっくりきた感じがあったんです。私、“男の子みたい”って言われることが多いんです」
最近はオトナ女子な役どころが増えているが、本人がやりたいのは、それとちょっと違うようだ。
「コメディをやってみたいんです。オファーが来るのが、けっこう悪女だったり社会派だったりで、私のイメージにコメディというものがないみたいで。どこでこうなったんだろうなって、本当に思うんですけど。と言うのも、グラビア活動の後に初めてやったのはコントドラマなんですよ。片桐仁さんと1分半のコントを100話やる番組で(『根津サンセットカフェ』/TBS系/2006年)、それが初めてのお芝居でした。その後もコントの深夜番組に出演していたんで、出はコントなんです。
すごくありがたいんですけど、いつの間にかすごく良い倉科カナさんができあがっていて(笑)。来る役がみんなカッコよかったり美しくて、高根の花みたいに言われることがすごく多くて、私の私生活を見せてあげたいと思いますね。やっぱり、まだ皆さんに見せたことがないような役柄や、コントでなくてもコメディとか、挑戦していけたらなと思います」
取材後、今後、やりたい役について話が盛り上がり、倉科さんから「ジャージでゴロゴロしている役とか良くないですか? たれパンダの人間バージョンみたいなやつ」という発言が飛び出した。倉科さんは笑いながら言っていたのだが、ここはぜひとも期待したいところである。
倉科カナ(くらしなかな)
1987年12月23日生まれ、熊本県出身。高校3年生のときに「SMAティーンズオーデション2005」に応募。グランプリを受賞し、’06年に「ミスマガジン2006」でグランプリに選ばれる。’09年にはNHKの連続テレビ小説『ウェルかめ』のヒロインを演じ、その後はさまざまな映画・ドラマ・舞台で活躍。現在配信中のLeminoオリジナルドラマ『情事と事情』、’25年1月放送予定のドラマ『TRUE COLORS』(NHK BS)では主役を演じる。