「“現状維持というのはもう後退だ”と、最近は考えている」新しいものを生み出したい“今”

 35歳を過ぎてからの結婚観の変化は、なにかきっかけがあったのだろうか?

「いきなり、ふと思ったんです。ちょっと自分の時間がほしいなって思い始めたとき、ひとりで戦うのがきつくなってきたりとか。あとは自分のために働くのではなくて、家族を持って家族のために働く、そこで必要とされるのもいいなって、ふと思ったんですよね」

「自分の選択で、これが面白いからやってみたい」「私はもう次のステージに進まなきゃいけないんだなって、思うようになってきました」。倉科さんの言葉からは、常に次に進んでいこうという、ポジティブな姿勢を感じる。年齢を経て、それは強くなってきているようだ。

「私はいただいた役に挑んでいるだけなんですけど……ただ、“現状維持というのはもう後退だ”と、最近は考えているんです。私は現状維持が得意なんですけど、だからそれは良くないなと、最近はまたなんか挑戦したいなって思っているんです。舞台も含めて、作品とか新しいものを生み出せたらいいなと考えていますね」

 常にアップデートし続ける倉科さんに注目したい。

倉科カナ 撮影/有坂政晴

倉科カナ(くらしなかな)
1987年12月23日生まれ、熊本県出身。高校3年生のときに「SMAティーンズオーデション2005」に応募。グランプリを受賞し、’06年に「ミスマガジン2006」でグランプリに選ばれる。’09年にはNHKの連続テレビ小説『ウェルかめ』のヒロインを演じ、その後はさまざまな映画・ドラマ・舞台で活躍。現在配信中のLeminoオリジナルドラマ『情事と事情』、’25年1月放送予定のドラマ『TRUE COLORS』(NHK BS)では主役を演じる。
AULAAILA / コードナイン