『必殺仕事人』シリーズの〝飾り職人の秀〟や、『太陽にほえろ!』の〝ジプシー刑事〟をはじめとする人気ドラマで一世を風靡し、71歳となった現在も渋い二枚目俳優として活躍する三田村邦彦のTHE CHANGEとは————【第2回/全4回】
新潟県新発田市で生まれ育った三田村邦彦は、小学生のときにはもう「俳優になりたい」と思っていたという。
「当時はまだ、どこの家庭にもテレビがあるというわけじゃなかったし、何を見て俳優になりたいと思ったかは、覚えていないんですが、小学校2年生くらいのときには“お芝居をする人になりたい”と憧れていたし、卒業するころには“どうやったらなれるんだろう?”と考えていました」
中学、高校と進むにつれ、俳優へ思いは膨らむ一方。家出同然に上京して、劇団の入団試験を受けたという。
「俳優座に入りたいと思ったのですが、その年は試験がなくて、文学座を受けました。1回目の試験は一次審査しか通らなかったものの、翌年は最終試験までたどり着いたのですが、ここで一悶着起こしてしまったんです」