1970年代から2020年代の現在までテレビバラエティに出続けている人は多くない。太川陽介さんは長きにわたり芸能界のトップで活躍された人だが、その中では大きな浮き沈みがあったという。ヒット曲や「バス旅」との出会い。軸足を置くことになる舞台の魅力。「バス旅」で見せる“リーダー”の決断力のごとく、その時々での判断が独自の道筋を生み出したようだ。太川陽介のTHE CHANGEとは?【第3回/全4回】

太川陽介 撮影/冨田望

 太川陽介さんの代表的な番組となった「バス旅」。2016年にはバラエティ番組としては異例の映画化、『ローカル路線バス乗り継ぎの旅THE MOVIE』が公開された。

「この番組はツキを持ってたんだと思います。だって映画で『バス旅』をやったときなんか、台湾でのロケだったんですけど、3泊4日でゴールを目指す中、3日目にはほぼ目的地に着く流れになっちゃってたんですよ。台湾の方って優しくて、ちょっとバスのことを聞くと、ワーッと人が集まってきて、どんどん教えてくれる(笑)。だから、想定よりずっと早く進んでしまったんです。
 まいったな、と思ってたら3日目になんと台風が直撃、1日バスが動かなくなって、さあどうなるか、という展開になったんです。あれ、台風がなかったらスッカスカなっちゃってたと思うんですよ(笑)。まったく映画にならないぞ、っていう展開。でも、何かが起きてドラマになってしまう。『バス旅』が持っているツキみたいなものは常に感じてました」