YouTubeでも「バス旅」をやってるんです
舞台との出会い、楽曲との出会い、そして「バス旅」という思わぬ番組との出会い。それぞれの出会いについて笑いを交え丁寧に語ってくださる太川さん。ここにきて新たな「CHANGE」にも挑んでいる。
「2024年からYouTube(『ルイルイちゃんねる』)を始めました。やってみると楽しいんですよね。YouTubeでも「バス旅」をやってるんですよ(笑)。テレビじゃ恐ろしくてできない「バス旅」。スタートもゴールも決めないで、市町村が書いてある紙を引いてそこに行く。無茶なんですけど、面白いんですよ。また新しい場を得たなという感じがします」
新たなものに挑戦しつつも、30歳を迎えた頃からコンスタントに続けてきたのが演劇というフィールドだ。
「30代の頃は商業演劇の舞台に1年の半分は立ってるというような感じでした。ミュージカルに挑んだ時期もあって、舞台の魅力は僕にとって大きなものになってきてたんです。でも、『バス旅』でブレイクみたいになったときに、テレビで忙しくて、舞台を1年やらなかった時期があったんです。そうすると、何か自分が何者かわからなくなってきてしまって。それでマネージャーに“年間2か月ぐらい、2本ぐらいは舞台をやろうよ”って言って、そういうペースにしたんですけど、僕の中心は舞台があるからこそ、バラエティでもいろんなことができる、と感じています」
太川さんにとっての舞台の魅力とは。
「初日の幕が開く15分前は“なんでこの仕事を受けたんだろう”って毎回後悔するんですよ。もうドキドキして吐きそうなるほどなんです。前の日も寝られないし。でも、舞台に立って、一言発すると、スーッと落ち着くんです。ありがたいことにいつもそのお客さんが受け入れてくれる感じがわかるんですよね。その瞬間、楽になれる。だからお客さんに助けてもらって舞台ができてるみたいなところがあると思ってます。そして何より、生のあの空間、あの緊張感が好きなんです。元々歌手でスタートしてるから、人前で何かやるのが好きなんですよね」
デビューから48年。これほど長きにわたり芸能界で活躍するタレントは実はあまりいない。そんな太川さんが今思うこととは。
「無駄なことは一つもないというのは本当につくづく思いますよね。一つ一つちゃんとやっていれば、必ずいつか何かに繋がるっていうのを感じます。あのときやってたことがこれに今繋がってるんだ、って。この歳になると、それぞれの点が1本の線に繋がったり、また脇からこっちの線が出てきたり、繋がったり。点だったものがいろんな線になって、それが束になって今がある。そんな実感があります」
まもなく上演される舞台『おばあとラッパのサンマ裁判』では、「新しい太川陽介を見せられれば」と話す。
「いつもと同じような太川陽介で終わったら観てる人もつまらないじゃないですか。ほぉ、こんなこともやるんだ、こんな一面もあるんだ、と思ってもらえれば役者としては、うれしいことですし、そう感じてもらえる舞台にしたいなと思っています」
(つづく)
太川陽介(たがわ・ようすけ)
1959年1月13日、京都府生まれ。A型。T171㎝。1976年「陽だまりの中で」でレコードデビュー。翌1977年、3曲目の「Lui-Lui」が大ヒット、同年暮れの第19回日本レコード大賞を初め、各音楽大賞の新人賞を獲得。1978年よりNHK総合「レッツゴーヤング」の司会を務める。その後、主に舞台を中心に俳優、タレント、ラジオパーソナリティなど活動の場を広げ、2007年10月にスタートした『ローカル路線バス乗り継ぎの旅』(通称「バス旅」)ではリーダーとして一行の取りまとめ役を担い、人気を博す。現在では2024年に始めた自身のYouTubeでもバス旅企画を行っている。
【作品情報】
トム・プロジェクト30周年記念公演 第三弾
『おばぁとラッパのサンマ裁判』
【作】古川健 【演 出】日澤雄介
【出 演】 柴田理恵 太川陽介 鳥山昌克 森川由樹 大和田獏
2025年2月3日(月)~2月9日(日) 紀伊国屋ホール
https://www.tomproject.com/peformance/sanma.html
主催:トム・プロジェクト
【協力】
ワハハ本舗 サンミュージック 劇団チョコレートケーキ
シアター・ブレーン catSSound アトリエ藍 マハロ 高津装飾美術