1月10日と17日にFODで配信されるドラマ『ペンション・恋は桃色season3』に出演する斎藤工さん。アドリブでの会話劇も多い一風変わったドラマだが、斎藤さん本人も異色な俳優道を歩み続けている。そんな斎藤さんが語るTHE CHANGEもやはり、一筋縄ではいかなかった。【第1回/全3回】
この日、1月10日と17日にFODにて配信されるドラマ『ペンション・恋は桃色season3』についての取材を昼すぎから受けていたという斎藤工さん。いまはもうすぐ20時。我々が最後のメディアだが、撮影中、斎藤さんは笑顔でガッツポーズをキメる。
「古田さんのポーズ」
一同の頭に「?」が浮かぶ。斎藤さんはお構いなしにガッツポーズを続けながら、窓から見えるビルに掲げられた看板を指差す。
「あれです。あの古田さんのポーズです」
斎藤さんの人差し指の先にあったのは、ビルに掲げられたある企業の広告だった。元プロ野球選手の古田敦也さんが笑顔でガッツポーズをキメている。最後の最後まで手抜かりないサービス精神に、取材スタッフはすっかり心を掴まれてしまった。
前述の『ペンション・恋は桃色season3』では出演者が自由に会話を展開するアドリブシーンが際立ち、斎藤さんのサービス精神が垣間見えるシーンもある。物語の舞台は、リリー・フランキーさんと伊藤沙莉さん演じる親子が営むとあるペンション。斎藤さんはseason1でひょんなことから転がり込んだ青年・ヨシオを演じる。刃物を交えた色恋沙汰や、山口智子さん演じる奔放な女性とリリーさん・伊藤さんとの深い温かさを感じさせる関係性など、season1,2を通して愛すべき人間模様を繰り広げてきた。随所に、演者の“素”を思わせる演出があり、見る者を引き込むのだ。
「勝手知ったるチームなので、脚本は比較的当て書きしているところもあるかもしれません。たとえば、僕の話が長いところとか、それぞれの長所とも短所ともいえるような個性の部分が吸い上げられている役だと思います」