「お子さんのことを想っていること自体が、いつか必ず本人に伝わるんじゃないかな」
シュタイナー教育とは、オーストリアの哲学者ルドルフ・シュタイナーが提唱した教育理念で、斎藤さんが通ったシュタイナー学園の公式サイトによると<知性・感情・意志の調和した、真に「自由な人間」を育てる>とある。育児中の身である記者が、斎藤さんを体現するかのようなこのフレーズに「斎藤さんのように、ブレずに豊かな発想ができる大人になるには、どうしたらよいのでしょうか……」と、つい質問してしまう。
「6年生のときに公立校に転校したときに違和感を覚えたんですが、同時に公立の良さも感じました。ただ中年になるにつれて、三つ子の魂百までというか、そこに戻ってくるんですよね。食生活も考え方も、気づけば当時、親が無償のなにかを捧げてくれていたものにひもづいて毎日を送っているな、と気づくことがあるんです」
そして記者の目を見て「お子さんに対して、こういう取材の場面でもお子さんを思う発言をされているじゃないですか」と語りかける。
「その行動自体、いずれ巡り巡って全部回収されるような未来があるんじゃないのかな、と思います。だから、“こんなふうに育てたら”というよりは、そうやってお子さんのことを想っていること自体が、いつか必ず本人に伝わるんじゃないかな」