映画デビュー作『ソロモンの偽証』(2015)における2か月での15キロの体重増というストイックな役作りに始まり、愛らしい笑顔の奥に揺るぎない芯を感じさせる富田望生。2作目のNHK連続テレビ小説出演となった『ブギウギ』でも、個性の強い、主人公スズ子の付き人・小夜を演じ切った。まだ20代半ばながら高い演技力と存在感を放ち続ける富田さんのTHE CHANGEとは──。【第4回/全4回】
デビュー作の映画版だけでなく、2021年にWOWOWで放送された『ソロモンの偽証』でも浅井松子役を演じた富田さん。映画版は中学生、ドラマ版は高校生との違いはあるが、両作に同じ役柄で出演したのは富田さんだけだ。
「ドラマに入るにあたって、映画版の成島(出)監督に“クランクインします”とご連絡しました。そしたら“嬉しい。もう一度松子をやることに意味があると思います。あのころは周りの大人たちに導かれるようにやっていたと思うけれど、今度は自分自身の力で発見して役を生きてほしい。頑張れ!”と言葉をいただいて。
それだけの年月がたったんだなと実感したのと、次の松子ちゃんには自分の力でそうやって向き合わなければと、身を引き締めました」
──実際に挑んでみていかがでしたか?
「涼子ちゃん(映画:藤野涼子、ドラマ:上白石萌歌)も樹里ちゃん(映画:石井杏奈、ドラマ:山本舞香)も演じる役者さんが違ったので、受けるものが全然違ってきますし、私も違う松子ちゃんができたのではないかなと思っています」