富田望生が“いま”見ているもの「できれば東京だけで収まりたくない」

──そんな富田さん自身が、いま目指しているものをひとつ教えてください。

「できれば東京だけで収まりたくないと思っています。今回、映画『港に灯がともる』で神戸に2か月間住みましたが、その前にも朝ドラの『ブギウギ』(NHK)で、大阪と東京を4か月間行ったり来たりしました。この2つの作品の間にも、『ジャズ大名』(2023)という舞台で地方を回って、いろいろな土地の感覚や価値観や生き方に触れました。
 これまで“仕事ができるから東京にいなければ”みたいなところに縛られていたかもしれませんが、そこから抜け出したいなという気持ちがあります。東京に捉われたくない」

──東京に捉われない生き方を。

「私が自分自身として呼吸のできる場所ってどこなんだろうとも考えますし、呼吸ができたなら、東京での仕事にももっと力を注げるのではないか、尽くせるのではないかとも思います。捉われないことで、頭のゆるみというか、心のゆるみみたいなものが生まれました」

──海外も視野に入っています?

「“海外で活躍したい”というワードは自分からは出ては来ませんが、海外に行くことは気にはしています。なぜなら、日本でこれだけのことを感じられるのであれば、もっともっと大きな世界に出たら、どんな見方になれるんだろうって思うから。世界に行くという野望より、興味はかなり強くありますね」

 2月に25歳を迎える富田さん。役と向き合う真摯(しんし)な姿勢はそのままに、「頭のゆるみ、心のゆるみ」が生まれたことで、居場所も考え方も留まることなく、ますますステキな俳優さんになっていくに違いない。

とみた・みう
2000年2月25日生まれ、福島県いわき市出身。2015年、宮部みゆきの小説を成島出監督が映画化した「ソロモンの偽証 前篇・事件 / 後篇・裁判」にて、1万人が参加したオーディションでメインキャストに選ばれ、俳優としての活動を開始。数多くの映画やドラマに出演している。主な出演作に『チア☆ダン〜女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話〜』(2017)『SUNNY強い気持ち・強い愛』(2018)『私がモテてどうすんだ』(2020)、ドラマ『3年A組 -今から皆さんは、人質です-』(日テレ系)『教場』(フジテレビ系)『だが、情熱はある』(日テレ系)、配信ドラマ『宇宙を駆けるよだか』『ブスの瞳に恋してる 2019』、連続テレビ小説『なつぞら』『ブギウギ』(NHK)など。
ヘアメイク:千葉万理子 Chiba Mariko
スタイリスト:阪上秀平 Sakaue Shuhei
中に着たシャツワンピース\53,900(税込み)PONTI
フリンジワンピース\49,500(税込み)PONTI
その他スタイリスト私物
お問い合わせ先:MAEDA DESIGN LLC. 03-6280-4408

●作品情報
『港に灯がともる』
2025年1月17日(金)公開
監督・脚本:安達もじり
脚本:川島天見
出演:富田望生、伊藤万理華、青木柚、山之内すず、中川わさ美、MC NAM、田村健太郎、土村芳、渡辺真起子、山中崇、麻生祐未、甲本雅裕
配給:太秦