まだ心に残る後悔「気持ちの折り合いがついて緩和されたら、また取り組みたい」

 紆余曲折(うよきょくせつ)を経てきた、これまでの人生。それは国生さんが手掛けるコメディ小説『せいの一族』の執筆にも関わっている。

「いま書くのを止めているんです。まだ私の中にトゲや後悔、恨みが残っているので。やっぱりプライベートの諸事情が、タレントとしての国生さゆりのキャリアにものすごく響いたから、自分が我慢すればよかったとか、一歩引いて考えればよかったとか、後悔しているんです。
 自分が選んだことでしょって言われたら、申し訳ございませんって頭を下げるしかないんですけど。でも、いろいろな気持ちを心の中にとどめておくと、それが腐って自分に対する怒りになってしまうんです。自分の中で静と動のバランスが取れていない状況なんです」

『せいの一族』は昔なつかしいホームドラマのようなドタバタコメディだ。ネガティブな感情を抱えたままでは、うまくは書けないだろう。

「ちょっと毒を入れちゃいそうなので。自分の中で気持ちの折り合いがついて緩和されたら、また取り組みたいと思います」

 小説家として、タレントとして、国生さんはいまもまだ変わりつつあるようだ。

(つづく)

国生さゆり(こくしょうさゆり)
1966年生まれ、鹿児島県出身。’85年におニャン子クラブのスターティングメンバーとしてデビュー。翌年『バレンタイン・キッス』でソロデビュー。アイドル卒業後は俳優として活躍する一方で、バラエティ番組にも多く出演する。’20年、コロナ禍の中で小説を書き始め、小説投稿サイト「小説家になろう」に本名の國生さゆり名義で長編の『国守の愛』シリーズを投稿。’25年にマンガ化される。現在も小説を執筆中。
メイク:島田真理子
ヘア:masato
スタイリング:富田育子
衣装クレジット:Jouete

◆作品情報
『国守の愛~群青の人・イエーガー~』
国生さゆり原作小説をフルカラーコミカライズ!

国生さゆり原作。科学研究者の富士子は「液体デイバイス」の開発に成功する。それを狙う秘密組織から守るため、陸上自衛隊・特殊戦群の要は富士子に近づく。事情を知る富士子の幼馴染かつ要の同僚であるの宗弥、要、富士子の三角関係を軸に、国のために懸命に生きる男女を描いたミリタリーアクション。

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