乃木坂46卒業後は俳優として主演はもちろん、NHKの朝ドラ、大河ドラマへの出演と確実にキャリアアップを図ってきている。そんな深川さんにとっての「THE CHANGE」、ターニングポイントとなったのはーー【第1回/全3回】
『嗤う蟲』──今回深川さんが主演を務めた映画のタイトルだ。この字面を見ているとなんとも禍々しいものが伝わってくる。
「最初、台本の表紙には『村八分(仮)』と書いてあったんです。“仮なので別のタイトルになります”ということで、撮影の合間にどういうタイトルが良いのかとみんなで考えを出し合っていました。とはいっても雑談みたいなものでしたが……(笑)。だから、『嗤う蟲』に決まった時は、“うわ、なるほど!”と思いました。この映画にピッタリのタイトルだと思います」
本作はスローライフに憧れて田舎に移住してきた夫婦が村の“掟”に飲み込まれていく様を描いたスリラー。映画は、光沢のあるアカガネサルハムシ(ブドウの害虫としても知られる青緑や赤銅色の金属光沢のある美しい昆虫)のアップから始まるが、このショットから尋常じゃない、主人公夫婦の行く先を予感させるものがある。
「ホラーは苦手なんですけど、元々スリラー系の本とか映画は好きなので、そういう題材に引き込まれてしまうところがあるんです。今まで私がやったお仕事の中では、スリラー系の作品はまだなかったですし、私にとってもチャレンジだと思ったのでオファーを聞いた時はすごく嬉しかったです」