『怪獣ヤロウ!』で映画初出演

 そんな菅井さんは舞台で学んだ“度胸”と“信頼”の大切さを活かし、映画に出演する。自身にとっての劇映画初出演となる『怪獣ヤロウ!』だ。岐阜県関市の市役所観光課に務める職員・山田(ぐんぴぃ)が怪獣を題材にした”ご当地映画”を作るために大奮闘する……という物語。

「ずっと劇映画に出たいと思っていました。オファーをいただいた時は本当に嬉しかったです。しかも今回の作品はこれまで見たことのないような企画書でしたので、とてもワクワクしました。“怪獣映画”と“ご当地映画”がどう融合していくのだろうと。舞台となる関市の魅力もたくさん詰まっていますし、小さい頃の気持ちを忘れずに夢を追い続けることの素晴らしさも教えてもらえます。日々の忙しさで忘れてしまいがちな童心を思い出させてくれる、背中を押してくれる素敵な作品だなって思います」

 演じた吉田麻衣は市役所の秘書。

「とても真面目で正義感が強く、仕事に対するプライドもしっかり持っている。ある意味、冷徹にも見える女性かなって。台本からはそういう感じに読み取りました。八木(順一朗)監督もその点はとても大事にしたいとおっしゃっていて、ハキハキ喋っていつもより声のトーンを落として冷静でいてもらいたいとアドバイスを受けました。私もそこはちゃんと伝えられるようにしたいと思いました」

(c) チーム「怪獣ヤロウ!」

――特撮映画ならではの怪獣の着ぐるみを着るシーンにも挑戦。

「台本を読んで、“えっ、どういうこと!?”って思いました(笑)。でも、着ぐるみは私が入れるように設計して下さっていて、フィッティング時間もとっていただいていたんです。怪獣になれた時はとても新感覚で楽しかったです。特撮のセットのクオリティも高くて、至る所にスタッフの怪獣映画愛を感じましたね」

――劇中映画『ゴトーチ』では“悪の魔王シチョー”にも扮した。

「市長役の清水ミチコさんが扮した市長っぽいウィッグを被ったり、何パターンか試して決まりました。あの扮装で支度場所から移動する際は恥ずかしかったですが、撮影ではすごくやり甲斐を感じました」

──完成した本編をご覧になっての感想は?

「八木監督のこだわりや怪獣映画への愛、いかにも怪獣映画で流れそうなBGM、そういうものをすべて含めて、“こんなご当地映画があるんだ”って、すごく驚きました。演者としても今回の役で私自身の中の変わりたい部分とリンクして、一歩踏み出せた感覚がありました。この映画の一部になれたということがすごく嬉しかったですし、最後のタイトルロールで自分の名前が出た時には嬉しくて、ちょっと涙がでそうになりました」

 映画『怪獣ヤロウ!』への出演でまたひとつ俳優として新境地を切り開いた菅井さんだが、競馬中継のMCを務めるなど、その活躍の場は俳優だけにとどまらない。

(つづく)

菅井友香(すがい・ゆうか)
1995 年 11 月 29 日生まれ、東京都出身。T165㎝。 AB型。2015年、欅坂46の第1期生オーディションに合格。2016年、欅坂46の1stシングル『サイレントマジョリティー』でCDデビュー。2017年に初代欅坂 46 のキャプテンに任命される。 2022 年グループ卒業後は、様々な舞台やミュージカル、映像作品など女優として活動するほか、幼少期より習っていた馬術を活かし、日本馬術連盟「馬術スペ シャルアンバサダー」に 5 年連続で就任するなど活動の場を広げる。近年では、「KEIBA  BEAT」(カンテレ) 、「菅井友香の#今日も推しとがんばりき」(文化放送)、「東京 GOOD!TREASURE MAP」、「開運!なんでも鑑定団」(テレ東系)にレギュラー出演のほか、2024年1月にドラマ「チェイサーゲーム W パワハラ上司は私の元カノ」とその続編の「チェイサーゲーム W2- 美しき天女たち-」で中村ゆりかとW主演を果たす。同年5月に放映されたドラマ「ビジネス婚-好きになったら離婚します―」ではW主演を務めた。

【作品情報】
映画『怪獣ヤロウ!』
出演:ぐんぴぃ 菅井友香 手塚とおる 三戸なつめ 平山浩行 田中要次 麿赤兒 清水ミチコ
監督:脚本:八木順一朗
補助:岐阜県関市 関市映像作品撮影事業
配給:彩プロ
1月24日(金)岐阜県先行公開  1月31日(金)全国公開
(c)チーム「怪獣ヤロウ!」
公式サイト https://www.kaijuyaro.com/