欅坂から櫻坂──2つの“坂”でキャプテンとしてグループを支え続けてきた菅井友香。グループ卒業から、早2年が経ち、現在は俳優を軸に活躍中だ。グループ在籍中にアイドルとして活躍した7年間という時間の中での変化、そして現在29歳である菅井さんの30代に向けての変化について聞いてみた————。【第2回/全3回】
2022年11月に「櫻坂46」を卒業した菅井さんは、翌23年に舞台『新・幕末純情伝』で沖田総司を演じた。
「卒業して初めての舞台でしたし、ここがターニングポイントになるんだという強い気持ちを持って臨みました。グループにいる時に『飛龍伝2020』という舞台にも出演せていただいていて、その時と同じ演出家の岡村俊一さんのチームだったので、少し安心感はありましたが、その時の感覚を越えたいという思いもありました」
『新・幕末純情伝』は2010年に逝去した劇作家・つかこうへいさんの代表的な舞台で、これまでに何度も上演されてきた。歴代の沖田総司には、牧瀬里穂、広末涼子、石原さとみ、鈴木杏、桐谷美玲、松井玲奈……と錚々たる顔ぶれが並ぶ。
「過去に何人もの方が演じられてきたので、そこで自分はどういう色を出していけばいいかと考えました。女性が男性のふりをするという役ですので、男らしい仕草も色々と研究しました。初めての殺陣でも“こんなに脚を開かなきゃいけないんだ”と最初は戸惑いもあったのですが、徐々にその姿勢でいることが一番楽になるくらいに染み込みました。大切なのは“度胸”と“信頼”だということも学びました」
──度胸と周りを信頼するというのは、やっぱりキャプテンを務めたことから生じた気持ち?
「どうなんでしょう。度胸に関しては子供の頃に習っていた乗馬で培われていたかもしれません。“軽乗(けいじょう)”という、走っている馬に飛び乗ったり馬上体操で演技を行う競技を一時期習っていたので。信頼する……という部分では、その舞台でもチームワークを常に考えるようにしていて、なるべく皆さんの様子を見るように意識していました」