心のよりどころは両親からの応援
乗馬をやっていたことが『KEIBA BEAT』に繋がった……とすると、これもまたひとつの縁である。
「騎手の方や厩舎の方にインタビューさせていただいた時には、皆さんの馬に対する思いをすごく感じました。スタッフさんは私が馬好きなことを知って声をかけて下さったと思いますし、自分が過去にやっていたことも、どこでどう繋がるか判らないなと思いました。一つ一つにちゃんと意味があるんだなって。私も今まで以上に“馬を応援していきたい”と思いながら毎週やらせていただいていますが、2年目にしてやっと肩の力も抜けてきて、あまり緊張せずにできるようになった感じです(笑)」

そんな菅井さんにとっての心のよりどころは両親からの応援だ。
「母は、私がちょっと弱音を吐いちゃった時には“厳しいのだったら、もう辞めればいいじゃない”と言って𠮟ってくれます。その一方で、“あなたにしかできないことがあるんじゃない”とか“誰かになろうとしないで、自分を見せていけばいい”とも言ってくれるので、すごく感謝しつつ、自立しなきゃと思っています。父からは本や手帳をプレゼントしてもらうことが多いです。昨年末にも綺麗な馬と華に彩られたカレンダーをもらって、それに今は癒されています(笑)。私が色々と悩んでいた時には『人生はニャンとかなる!』……っていうタイトルだったかな、猫の写真と禅の考え方が書かれている本を貰いました。それを読んだら心が軽くなりましたね。この本で『大地黄金』(「自分がいま置かれている場所で精一杯力尽くせば、そこが黄金のように輝いてくる」という禅語)って言葉に出会っていまは大事にしています」
現在29歳。20代ラストイヤーだ。
「10代も楽しかったんですけど、20代の方がより楽しかったというか、濃厚な時間を過ごせたなって思います。19歳からこの仕事を始めて、29歳までこの世界を続けられるとは当時は思っていなかったので、なんてありがたいことなんだろうって」