この1月に23歳になる俳優・板垣李光人は、いまもっとも注目の若手俳優のひとりだ。20日にスタートしたドラマ『秘密~THE TOP SECRET~』(カンテレ・フジテレビ系)で、ゴールデン帯連続ドラマ初主演を遂げた。映画やドラマに引っ張りだこ、さらに昨年は個展も開催と、創造力がほとばしる板垣が、CHANGEを感じた瞬間とは。【第1回/全3回】
「双葉社さんですか?『クレヨンしんちゃん』が大好きで、単行本も持ってます」
少年のようなあどけない笑顔にひきこまれ、創造力の源泉を探ってみたくなる。
『秘密~THE TOP SECRET~』は、“死者の脳”を通して犯罪捜査に挑んでいくヒューマンサスペンスドラマで、原作は1999年から2012年まで連載された清水玲子さんのマンガ。
板垣が演じるのは、死者の脳をMRIにかける“MRI捜査”を行う科学警察研究所の法医第九研究室、通称“第九”の室長・薪剛(まき・つよし )。天才的な頭脳で重大事件の真相を解き明かすなかで、親友の鈴木克洋(中島裕翔)との過去や、後輩・青木一行(中島裕翔・一人二役)らとの経験が薪を成長させていく。
「濃厚なヒューマンドラマです。ミステリーではありますがSF要素もあり、薪としては冷静に捜査しないといけないんですが、白黒はっきり分けられなくて、犯人の切ない事情に同情したくなるときもあります」
──原作コミックを読んでの印象はいかがでしたか。
「“少女マンガでこんな展開があるのか。世界観がすごい”と、驚きが最初に来ました。自分が受けたこの衝撃を、ドラマで初めて作品を知る方にも感じてほしいですし、薪を演じるにも相当な覚悟が必要だなと引き締まったのが、作品に出合っての第一印象です」
──第一印象が大きかったのですね。
「特に、原作があるのならまず原作を、オリジナルの作品なら台本を、役をいただいた者としてではなく、まずはいち読者の気分でフラットに読んでみます。初めて出合ったときに感じた気持ちを大切にしたいですね。それが役作りのベースになります」