2025年1月に23歳になる俳優・板垣李光人は、いまもっとも注目の若手俳優のひとりだ。20日にスタートしたドラマ『秘密~THE TOP SECRET~』(カンテレ・フジテレビ系)で、ゴールデン帯連続ドラマ初主演を遂げた。映画やドラマに引っ張りだこ、さらに昨年は個展も開催と、創造力がほとばしる板垣が、CHANGEを感じた瞬間とは。【第3回/全3回】

板垣李光人 撮影/冨田望 スタイリスト/五十嵐 堂寿 ヘアメイク/KATO(TRON)

2012年に俳優デビューした板垣は、2018年に『仮面ライダージオウ』(テレビ朝日系)のウール役でブレイク。そして初の主演ドラマ『カラフラブル~ジェンダーレス男子に愛されています。~』(読売テレビ・日本テレビ系)では、古着店の店員役・相馬周に扮(ふん)した。

 昨年2024年にいたっては、映画『陰陽師0』『ブルーピリオド』『はたらく細胞』『八犬伝』、さらにドラマ『マルス-ゼロの革命-』(テレビ朝日系)と、わずか1年でさまざまな役をものにした。そんな板垣が、大きな出会いになった作品として挙げたのは──。

「5年前、映画『約束のネバ―ランド』への出演が大きな転機でした。まず撮影に入る前、平川雄一朗監督と2か月ほどかけて、ていねいにワークショップを行っていきました。映画自体もとても重い作品でしたから、ここで覚悟がつきました」

──孤児院で暮らしていた子どもたちが施設の秘密を知り、脱出計画を練っていくダークファンタジーで、板垣さんは孤児院で暮らす少年ノーマンを演じていました。

「孤児院の仲間(レイ)役の城桧吏くんたちと一緒にワークショップを受け、平川監督と相撲を取ったりもしたんです。もちろん劇中にそんなシーンはないのに(笑)。おそらく、僕らも生半可な気分では挑めない作品だったからだと思います。
 生と死が隣り合わせの状況で、絶望を間近に感じながら希望を信じて突き進んでいかないといけない役どころでした。生きる覚悟を身体で教わったのかなと思います。“芝居とは何ぞや”を教わった経験でした」

人生の転機を語る板垣李光人