音楽番組で共演した松本隆からライブ出演への誘いも

「そのあとも、いろいろなご縁に恵まれました。例えば、音楽番組で共演したのをきっかけに、松本隆さんご本人から『松本隆作詞活動30周年記念ライブ“風待ミーティング”』(1999年)に出ないかと誘っていただいたり。
 2000年に、細野さん、鈴木さん、林さんの3名で、ティン・パン・アレイを“Tin Pan”名義で復活させたときには、ライブの打ち上げで接点が生まれ、鈴木茂さん、林立夫さんと共演させていただくようにもなりました。高校生のころ周囲に理解されなくても、信じて夢中で聴いてきたミュージシャンの皆さんと、時を経てついに音を奏でられるようになったんです」

 佐野さんは、すでに郷里・島根県松江の高校生時代から、強烈な才能を引き寄せる力があったようだ。その一人が、同じ高校に通い、後に世界的ロックバンドとなったVOWWOWの山本恭司氏との出会いである。

「ロックが好きな者同士、話をするようになり。友達の家でキョージを紹介されて、彼にレッド・ツェッペリンを教えてあげたり、コードを知らなかったので教えてあげたこともあります。もはや、この話は完全なネタですけどね(笑)」

 そういって、チャーミングな笑顔を浮かべた佐野さん。ちなみに、山本さんは2週間後に完全コピーできるまでに上達していて、「こいつは天才だ」と舌を巻いたそうだ。