デビュー以来、圧倒的な透明感で性別を問わず多くのファンを持つ武田玲奈。その人気は海外でも高く、いまや国境をも超える。そんな彼女もデビューして早10年、俳優として高い評価を得るまでに成長した。その間、多くの出会いと刺激が変化を与えたという──。【第1回/全3回】

武田玲奈 撮影/三浦龍司

 「いつの間にか10年経っていたな……という感じなんです」と振り返る武田さん。福島県いわき市で育ち、2014年に雑誌『Popteen』のモデルとしてデビュー。翌年『週刊ヤングジャンプ』で水着グラビアを披露し表紙を飾る。同じ年に映画『暗殺教室』で俳優キャリアをスタートさせ、多くのドラマや映画、舞台に出演。現在では俳優としての活躍が目覚ましい。デビュー10周年を迎えた昨年、写真集『SISU』を発売。撮影はサウナ発祥の地といわれる北欧、フィンランドで行なわれた。

「以前、あるドラマの地方ロケで共演した女の子に、ロケ先にあったサウナに連れて行ってもらったんです。それがきっかけでずっとハマっています」

 「サ活」「ととのう」などの言葉が流行し、いまや国民的なブームともいえるサウナ。今回の写真集の撮影がフィンランドで行われた理由の一つは、武田さんが大のサウナ好きだったこと。人口約550万人のフィンランドには約320万のサウナがあるといわれ、自宅にプライベートサウナを持っている人も多い。10周年アニバーサリーである武田さんのリクエストを叶える形でサウナの母国での撮影が実現したのだ。

「日本でサウナに行くときは“さあ、行くぞ!”と、気合が入る感じがあるんです。でもフィンランドでは、サウナそのものが生活の一部になっていて、公共の場でもあるし、家族や仲間と一緒に行って、その日にあったことを話し合ったりするんです」