自然の湖で“ととのう”シーンも

 首都・ヘルシンキで訪れた「コティハルン サウナ」は最古の公衆サウナ。写真集にはサウナの中で撮影された写真も収録されている。じっと目を閉じ、ほんのりと汗ばむ姿は美しく、癒される。

「熱したサウナストーンにアロマ水をかけて蒸気を浴びる“ロウリュウ”は、フィンランドが発祥なんです。私も実際に体験しましたが、日本と比べてそれほど温度も高くなくて、蒸気が立ち昇る時の音を聴きながら入るのがとても心地よかったです」

 ビスマルク湖のほとりに20棟以上のスモークサウナが建ち並ぶ「サウナヴィレッジ」では自然の湖で“ととのう”シーンも。今回の撮影で「人生初のパーマをかけた」という武田さん、ソフトにウエーブのかかった髪がサウナの中でしっとりと濡れる。イロランタの森では妖精の雰囲気の衣装を纏い、更にはヘルシンキ大聖堂、中世に建てられたハメ城……などサウナだけではなく、多くのフィンランドの歴史や文化にも触れた。

「フィンランドという国は、自然も壮大で豊かで、すごく綺麗で清潔な感じの国でした。日本の次に住みたい国だなという印象を受けました」

武田玲奈 写真集「SISU」より

 お気に入りのカットは? という質問にはーー

「青いお洋服を着て、青いお花に囲まれた写真です。フィンランド南部にあるスオメンリンナ島で撮影していた時に、綺麗な青い花が咲いていたので、“ちょうどいいね”と、その場の雰囲気で撮った写真なんです。出来上がりを見たら光の入り具合とか幻想的な雰囲気になっていて、一番好きなカットになりました」

 写真集のタイトル「SISU」とは耳慣れない言葉だが、フィンランド語でフィンランド人の内面や精神力、いわゆる”フィンランド魂”といった意味で、武田さん自身が提案し決定したのだという。『SISU』はデビューしてから10年間の集大成でもあり、また次の10年に向けての新たなスタートとなったようだ。武田さんにとって、この10年間にはどんな出会いや転機があったのだろうか──。

(つづく)

武田玲奈(たけだ・れな)
1997年7月27日、福島県生まれ。B型。T165㎝。2014年にファッション誌「Popteen」のレギュラーモデルとしてデビュー。翌2015年には映画『暗殺教室』で俳優デビュー、『監獄学園-プリズンスクール-』でドラマデビューを果たす。2023年からは福島県いわき市の観光や食の魅力を発信する「いわきツーリズム推進匿名部長」を務める。ゲームバラエティー番組『eGG』にレギュラー出演中。昨年は出演した全話配信中のドラマ『透明なわたしたち』(ABEMA)が話題になり、Netflixにて世界配信中。現在はNHKドラマ10『東京サラダボウル』(毎週火曜22時〜)に出演中。舞台『華岡青洲の妻』(2025年7月10日〜23日@京都四條南座、7月26・27日@久留米シティプラザ、8月1日〜17日@新橋演舞場)に出演予定。

【作品情報】
「武田玲奈10周年記念写真集 SISU」は絶賛発売中。
定価:3,500円(税込)
発行:東京ニュース通信社