14歳でデビューしてから今年で20周年。しなやかに役者を続けてきた北乃きいだが、誰かにライバル意識を抱いたり、嫉妬にかられたことはないという。また、いまでも芸能界の外でかなえたい夢があると話す、自分を見失わずに生きてきた北乃のTHE CHANGEとは──。【第2回/全4回】

北乃きい 撮影/有坂政晴

 福島県を舞台にしたオムニバスドラマ『風のふく島』(テレ東系)第6話で、キャンドルに魅せられた女性・朝比奈三咲を演じる北乃。ロマンチストな三咲は、幼少期からものづくりが好きという思いを持ち、会社員を辞めて飯館村でキャンドルを作ることになっていくが、神奈川県横須賀市で育った北乃の少女時代にも、こんな思い出があった。

「いま思うと、“芝居のまねごと”のようなことをしていたのかも。幼いころは、きょうだいがいなくて祖父母も働いていたので、家にいるとひとりぼっちだったんです。だから外に出ては、道に迷ったふりをして“ここに帰りたいんですけど、どう行ったらいいですか”と聞いたりしていました。いつも犬の散歩をしている道なのに、迷ったりふりをしたり。はたから見たらバレバレだったでしょうね(笑)」