2012年に鈴木もぐらとお笑いコンビ『空気階段』を結成し、2021年には『キングオブコント2021』の王者に輝く。俳優としては『妻、小学生になる』(TBS系)や『罠の戦争』(フジテレビ系)など数々のドラマに出演するなど活躍の場を広げる水川かたまりのTHE CHANGEとは──。【第2回/全2回】

水川かたまり 撮影/イシワタフミアキ

 僕にはコントをやるうえで、大切にしていることがあるんです。それは、ハッピーエンドで終わらせるということ。たとえば、正月にやっているネタ番組みたいに、子供からお年寄りまで家族みんなで見て笑えるような、自分が客席で観て聞いていたら、きっと笑うコントを心掛けるようにしています。欲を言えば、100人いたら、100人が僕たちのネタを見て笑ってほしい(笑)。

 ネタ作りにおいては、もともと、設定から考えるようにしていたんです。まず設定があって、面白いセリフやボケを考えていく。でも、3年目ぐらいから、キャラクターをより掘り下げるようになりました。設定に合うキャラを作り出し、そのキャラだったら、こういうセリフが出てくるだろうって感じで。

 そうやって、自分たちのやりたいコントをやったうえで、劇場でのお客さんの反応を分析しながら試行錯誤した結果、おかげさまで、『キングオブコント2021』(TBS系)で優勝することができたんです。

 以降、ありがたいことに、いろんな仕事をいただけるようになりました。今回、出演させていただいた映画『死に損なった男』も、その一つです。主演のオファーを聞いたときは、ドッキリを疑いましたね(笑)。

 主演、いわゆる座長ですが、「みんなを引っ張っていこう」とは一切思いませんでした。現場には、映画への出演経験の多い方がたくさんいたので、とにかく自分ができることを精いっぱいやって迷惑をかけないようにしようと。

 物語は、僕が演じた売れない構成作家の関谷一平が、とある男の霊に取りつかれたことから始まります。一平という役は、すごく純粋なんだけど、不器用で……。僕自身も、そんなに器用なタイプではないので、一平に共感する点も多くありました。