父親にタレントの中山秀征さん、母親に元宝塚歌劇団のトップ・白城あやかさんを持つ中山翔貴さんは、小学生時代から大学まで、野球ひと筋に打ち込んできた。そんな翔貴さんは大学を卒業すると一転、俳優への道に進む。その陰にはどのような思いがあったのか? さまざまな経験を経て両親の背中を追い始めた翔貴さんのCHANGEを聞いてみた。【第3回/全3回】

中山翔貴 撮影/有坂政晴

鈴木亮平が自らグラウンドに出て

 俳優としてデビューしてからおよそ2年。短い時間ではあるが、その間に出会った最も印象的だった人物を聞くと、すぐに「鈴木亮平さん」という名前が返ってきた。鈴木さんは、中山さんが23年に出演したドラマ『下剋上球児』(TBS系)で、高校の弱小野球部の監督を主役として演じていた。

「俳優としてすごいのはもちろんなんですが、やっぱり人間性の部分で一番、尊敬できるんです。とにかく気配りがすごくて。試合のシーンとか、観客でエキストラとして出演していた一般の方が多かったんですが、夏の撮影で長いし、飽きちゃいそうになるんです。そんな空気を感じると、休憩中の昼ごはんもすぐに食べてグラウンドに出て、マイクで呼びかけたり、ティーバッティングをしてみんなを盛り上げるんです。
 鈴木さんは野球をやってこなかったので、技術的なこととかを自分たちに“これはどういう感じなの?”、“普通はどうやるの?”って、気さくに聞いてきてコミュニケーションを図ったり。あれだけの実績がある方なのに、撮影現場にいる人みんなに気配りができる。そういうとことは本当に見習いたいと思います」

 得るものの多かった『下剋上球児』への出演。共演した若手俳優陣との交流は今も続いているという。