苦しんだ大学の野球部時代
「伊藤あさひくんとは特に仲が良くて、よく2人でゴルフに行っています。ほかのメンバーともよくごはんを食べにいきますし、みんなで草野球チームを作ろうとか話しているんです」
中山さんが今も心から愛している野球。しかし、その野球では大きな挫折も味わっている。
「大学の野球部に進んだら、まわりがすごすぎて、ついていける状況ではなかったんです。ピッチャーだったんですが、投げ方をアンダースローに変えて技巧派に転向したのが、最初の大きな挫折でした。それで、なんとか試合には出られるようになって、4年生のリーグ戦にはベンチ入りしたものの、コロナにかかってしまって。秋の最後のリーグ戦はメンバーから外れてしまったんです。
いい方向にいってはいたんですが、やっぱり自分は無理かなという思いがありました。両親には高い学費や寮費を払ってもらっていたし、応援してくれていたので、本当に申し訳ない思いでいっぱいでした。そんな情けないことはもうしたくないと思って、今の仕事を始めたんです」
ひとりの俳優として見てもらえるように
不完全燃焼に終わった野球。心機一転、飛び込んだ芸能界で、中山さんは着実に成長している。今後の目標を聞いてみると……。
「なにかひとつ、賞を穫れる俳優になるというのが目標です。あとはデビューしたときから、“二世タレント”として見られてきたので、それを払拭してちゃんと実力をつけて、中山翔貴というひとりの俳優として見てもらえるようになりたいですね」
中山さんはこの3月に舞台『クレイジーレイン』に出演する。これまでは映像作品への出演ばかりで、舞台は初めて。まだ稽古に入っていないが(取材は1月下旬)、すでに準備は始めている。
「稽古初日に向けて、緊張感はあります。もともと母親の舞台を見たことが、俳優を目指したきっかけでもあるので、映像と同時に、舞台には今後も出演していきたいと思っています」
新たな道を歩み続ける中山さんの今後に注目したい。
中山翔貴(なかやま・しょうき)
1999年東京都生まれ。幼少期から16年野球を続け、青山学院大学在学中には同大の硬式野球部に所属し、7年ぶりの東都一部リーグ昇格に貢献する。大学を卒業後は俳優の道に進み、22年のドラマ『しろめし修行僧』(テレビ東京系)で俳優デビュー。その後、『下剋上球児』(TBS系)、『おむすび』(NHK)などの話題作に出演する。また、格闘家の朝倉未来がエグゼクティブプロデューサーを務める映画『BLUE FIGHT〜蒼き若者たちのブレイキングダウン〜』に出演、25年3月には『クレイジーレイン』で舞台に初挑戦するなど、幅広く活動している。
(作品情報)
舞台『クレイジーレイン』
新宿シアタートップス
3月5日(水)〜3月9日(日)
脚本・演出: 木下半太
出演:中尾暢樹 池岡亮介 納谷健 中山翔貴(Wキャスト)真弓(Wキャスト)
主宰・企画・製作: WATANABE ENTERTAINMENT
公式サイト: https://crazyrain.westage.jp/