K-POPや美容のトレンドなど、さまざまなカルチャー発信地であり、世界中に影響を与える韓国。だが、日本では馴染み深い「グラビア」文化が根付いていないことを知っているだろうか。そんな不毛の地で、グラビアモデルとして表現し続ける女性がいる。ピョ・ウンジさん。アメリカの大学で会計学を学び、韓国の一流企業で会社員をしていた20代後半、日本のグラビア文化に出会ってしまったウンジさんのTHE CHANGEとは。【第2回/全5回】

ピョ・ウンジ 撮影/有坂政晴

 若者を中心に、日本に絶大な影響を与えている韓国カルチャーの数々。映像、音楽、美容、食、ファッションなど韓国発のさまざまなカルチャーがポジティブに受け取られているが、一方で、日本にあって韓国にはない意外な文化があるという。

「韓国には、グラビア文化がないんです」

 流暢な英語で教えてくれるのは、韓国グラビアのパイオニア的存在であるピョ・ウンジさん。昨年12月に上梓したフォトエッセイ『もっと前へ、そして「その先」へーーピョ・ウンジはなぜグラビア不毛の地・韓国でグラビアモデルを始めたのか』に詳細を綴っている。<肌の露出が多い女性の写真が載っている雑誌=ポルノ的なコンテンツ>という認識が定着している韓国で、自身のインスタグラムに水着姿の写真を載せると、<トラウマになるような言葉の数々>を突きつけられた経験も持つという。

 それでもウンジさんの「誰もやっていないことをやっていきたい」という決意は固かった。そうと決まれば、活動を始めるにあたり、日本のさまざまな作品をチェックしたという。