モデルから俳優へ──その透明でナチュラルな存在感で同性からも多くの支持を得ている紺野彩夏さん。2022年に配信された仮想結婚の模様を描いた恋愛バラエティ番組『私たち結婚しました4』での瀬戸利樹さんとの初々しい結婚生活は多くの注目を集めた。昨年末に発売した1stフォトブックは、そんな彼女の魅力は活かしてタイトルもズバリ『透(ひかり)』。若手俳優の注目株のひとりである紺野さんとってのCHANGEとは──。【第3回/全3回】

『仮面ライダージオウ』でのオーラ役が俳優としてのひとつの転機になったと話す紺野さん。『ジオウ』以降でも、俳優としての紺野さんに大きな影響を与えた作品が二つあるという。
映画『藍に響け』(2021年)はそのひとつ。裕福な家庭に育った環は父親の会社が倒産し生活が一変。そんな事情を誰にも言えなく行き場を失った環だったが交通事故で声帯を損傷したマリアが叩く和太鼓の音色に出会い徐々に心を開いていく……という青春ドラマだ。紺野さんが扮したのは環役だった。
「私が和太鼓を叩くシーンがあったんですが、それまで和太鼓を叩いたことはなかったので2か月ぐらい和太鼓の練習をしてから撮影に臨んだんです。この映画に携わるまで、役作りで長い期間何かを練習し習得してから作品に入ったことがなくて、この『藍に響け』で初めて体験したんです。みんなと合わせて叩くシーンを撮った時の達成感は今でも覚えています。すごく感動しました。そこで、俳優としてのステップをひとつ上がれた感じがあったんです」
もうひとつはドラマ『サブスク彼女』(2023年・朝日放送)。本命彼女に選ばれない虚しさから月額課金制で様々な男性の”サブスク彼女”を始めたヒロイン・トモを中心に描くラブストーリーで、ここで紺野さんはトモ役を熱演した。
「私にとって初めての主演作品ということもあって、思い入れがすごくありました。演じたトモも役的には本当は真っ直ぐなコなんですけど、色々な要因があってちょっと歪んでしまっていて……。そういう役、キャラを演じるのも初めてでした。それまでは、どちらかというと明るいコの役が多かったので、当時の私にとってはとても新鮮でした」