『エリザベート』、『モーツァルト!』など数々の名作に出演するミュージカル界のトップ俳優であり、多くのテレビドラマに出演。音楽番組やバラエティ番組でも活躍を見せる山崎育三郎さん。彼が長年抱いていた「日本のオリジナルミュージカルの制作」という夢を実現させる日がやってくる。12歳でミュージカルデビューを果たし、その後29歳で迎えた大きな転機。ミュージカル界とテレビメディアの橋渡し役として果たしてきた役割や、『昭和元禄落語心中』における「助六」という役との出会いなど、チャレンジングな日々を力強く、そして軽やかに語ってくれた。【第4回/全4回】

舞台だけでなく、ドラマや音楽番組、バラエティという幅広く積み重ねたキャリアが今度は舞台にフィードバックされる。山崎さんの声掛けで集まったキャストたちがミュージカル『昭和元禄落語心中』を作り上げる。
「10代、20代のときの僕が、“オリジナルミュージカルを作りたいんです”と言っても、“まず自分が頑張りなさい”と言われるだけだったと思うんです。だからこそ、“一緒に作りませんか”とお願いしたときに、“いいよ、やろうよ”と協力してくれる自分を作らなくてはいけない、という思いはずっとあったので、この世界でずっとやってきた一つ一つが今回のミュージカル『昭和元禄落語心中』に繋がっている、と思っています」
長年の夢だった「日本のオリジナルミュージカル」。いよいよ上演となるが、山崎さんが演じる助六はドラマのときからそのイキイキとした存在感が魅力だった。今回の取材でも時に真剣に、時に笑いを交えてテンポよく答えてくれる山崎さん。どこか助六と重なる部分も感じるが、この役との出会いをどうとらえているのだろうか。