インディーズバンド「ピートモス」のギター・ヴォーカルとして夢を追いかけるルカは、ある日、大手レコード会社から連絡を受け、面接を受けに行く。寮を出る時に入巣がルカの首にマフラーを巻いてあげるシーンがあるが、そこを見ると入巣は後輩だけどちょっとお姉さん的というかお母さん的な立ち位置……とも思える。
「入巣には自分でも気付いてない母性的なものがあると思うんですが、それはお互いにあると思うんです。入巣からしたら先輩のルカが心の拠り所みたいなところがあって。つまりは入巣とルカって、似ていないようで心の底にある部分はメチャ似ている。自分に自信が無くて、でもお互い相手のことはリスペクトしている。多分言葉にしないだけで、すごく安心して寄り添える、信頼できる先輩後輩なんだろうなって思います」
映画の見どころについて尋ねると、
「大学生の先輩後輩の日常を描いているんですけど、老若男女どなたにも響く言葉や刺さる言葉がたくさんあると思います。登場するキャラも全員、癖が強くてクスっと笑えるようなお話なので、ラストもそれぞれ受け取り方は違うかもしれませんが、何かしらの思いを受け取ってその先を想像して欲しいと思います」

(c) 石黒正数・徳間書店/映画『ネムルバカ』製作委員会
25歳を過ぎ自分の今後について考える時間が増えた
プライベートでは現在26歳。20代前半と後半とでは変化を感じることがあるのだろうか。
「それが、全然無いんです(笑)。最近は26歳と言うと、“もう30歳見えてきているじゃん!”という反応をされるので、“そうなんだ~”って思うようになりました(笑)。自分では全然、実感ないんですけどね。でもやっぱり20歳と25歳とでは全然違うなって思いますね」
──どんなところがですか?
「言葉で言い表すのは難しいんですけど、10代から二十歳ぐらいまでは、“これがやりたい”とか“あれになりたい”とか、何にも考えずにフワッと言葉が先に出てきてたんですけど、歳を重ねるとだんだん現実を考えてから言うようになって。そうなると、ものごとをすごく冷静に捉えるようになったといいますか、自分の今後について考える時間が増えました」