自然な森がある所に行きたい
25歳を過ぎて今後の自分について考えるようになったという平さん、プライベートでの目標を尋ねると、色々なところへ旅に出たいという答えが返ってきた。
「いま一番行ってみたい所でいうと屋久島。海外もすごく行きたいんですけど、日本にもまだ知らない綺麗なところがいっぱいあるなと思っていて。自然な森がある所に行きたいんです。緑がたくさんあるところがいいですね。やっぱり、毎日たくさんの人と会っていますし、東京のような大都会にいるとビルばっかりなので、木がいっぱいある、もうそれしかないような所に行きたいなって。そこで過ごす時間こそが自分自身と向き合えるんじゃないかって思うんです」

俳優としての目標(憧れ)は草笛光子。これまでドラマ『まだ結婚できない男』(2019年)で共演したことがある。
「私は主人公の桑野(阿部寛)の姪っ子で草笛さんは桑野のお母さん。つまりはおばあちゃん。撮影の時も色々とお話しして下さって、打ち上げの時には私の頬を触りながら、“あなた大丈夫よ、そのままで良いのよ”というようなことを仰って下さったんです。どういう意味で言っていただいたのか、まだ真意はよく判らないんですけどね(笑)」
草笛さんは昨年公開された映画『九十歳。何がめでたい』で映画単独初主演を果たし、その演技で日刊スポーツ映画大賞主演女優賞を受賞。今年で芸能生活75年を迎え、91歳の現在でも現役バリバリな俳優だ。
「11歳からこの業界にいると、その頃からの写真が全部残るじゃないですか。それが恥ずかしいんです。だから写真を見て、“あぁいい感じに成長してきているな”っていう風に歳を重ねていきたいって思うんです。俳優さん、女優さんは皆さんそうですけど、歳を重ねる毎にお芝居に味が出てきますよね。普段経験したことを役に活かせられるというのは素敵なことだと思うんです。草笛さんは今までの御自分の全てを背負って、ずっと第一線で活躍されていて、本当に素敵だなって思えて、私もあんな俳優さんになれたらなって憧れています」
そんな平さんのモットーは一期一会。
「作品ごとで毎回毎回、環境も人も違うので、そこでみんなで気持ち良く楽しくモノ作りが出来たら良いなという思いがあるんです。本当に人との出会いで楽しくなったり、次に繋がっていったりするので、一期一会を大切にしていきたいなっていう思いはあります」
インタビューの受け答えは年齢以上に大人びた感じが伝わってきた。それは6人兄弟の末っ子という気質からなのか。ともあれ、年齢と共に重ねていくキャリアが今後どう開花していくのか見守っていきたい。
平祐奈(たいら・ゆうな)
1998年11月12日生まれ。兵庫県出身。O型。2011年に是枝裕和監督の映画『奇跡』でデビュー。『ReLIFE リライフ』(17)、『未成年だ けどコドモじゃない』(17)、『10万分の1』(20)などの映画で主演を務める。映画『恋は光』(22)で第44回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞。最新出演作に映画『からかい上手の高木さん』(24)、舞台『奇跡の人』(22)、ドラマ『物産展の女~宮崎編~』(24)、NHK連続テレビ小説『おむすび』(24) などがある。
【作品情報】
映画『ネムルバカ』
久保史緒里(乃木坂46)平祐奈 綱啓永 樋口幸平 / 兎(ロングコートダディ) 儀間陽柄(the dadadadys) 高尾悠希 長谷川大 志田こはく 伊能昌幸 山下徳久 / 水澤紳吾 吉沢悠
原作:石黒正数「ネムルバカ」(徳間書店COMICリュウ)
監督:阪元裕吾
脚本:皐月彩 阪元裕吾
配給:ポニーキャニオン
(c) 石黒正数・徳間書店/映画『ネムルバカ』製作委員会
公式HP:https://nemurubaka-movie.com/
映画『ネムルバカ』音楽集 価格:3,850円(税込)
[発売元] ポニーキャニオン