2月12日に立ち上げが明らかになった、タレントのデヴィ夫人を代表とした政治団体『12(ワンニャン)平和党』。その選挙対策委員長に就任した藤川晋之助さんは永田町内では“選挙の神様”とも呼ばれていたが、3月11日に逝去された(享年71)。哀悼の意を込め、昨年末のインタビューから、“選挙の神様”に語っていただいた人生の「THE CHANGE」をお届けするーー。【第2回/全2回】

2009年には民主党による政権交代も経験しましたが、その後の民主党政権を見て、これでは日本は良くならないと思いました。ちょうど、そのとき、河村たかし前名古屋市長が減税日本という新党を立ち上げるというので、事務局長をやりながら市長選や市議選をお手伝い。その後は、渡辺喜美さんのみんなの党を応援するようになりました。その後は大阪維新の会や東京維新の会へも行きました。
この経験から言えるのは、自民党の政治が大学生なら、民主党が高校生、維新は暴れん坊の中学生レベル。これではあまりにも人材不足でだめだ、政策がきちんとできて、選挙でも戦えるような政治家を育てようと思い、選挙戦略研究所を立ち上げました。政界の大谷翔平や藤井聡太を輩出しないといけない。そうしたときに出会ったのが昨年7月の都知事選に出馬した石丸伸二なんです。
彼が私に初めて挨拶に来たとき、「お前は政治を舐めているんじゃないか」「たかだか人口2万7000人くらいの広島県の田舎の市長が1400万人を抱える東京都知事になるなんて10年早い」という話を2時間ぐらいしました。それでも、石丸は「国会議員になって政治を良くしようと思っても時間がかかる」「10年で日本はダメになる、スピードを考えたら都知事が一番早い」と熱弁するので、私も「分かった」と引き受けたんです。
ただ、石丸が東京に出てくるのが6月12日で、20日からは選挙が始まる。都知事選だとポスターは1万4000か所くらい貼らないといけないので、ボランティアを募集することにしました。私は「300人来たら成功」と思っていたのですが、そこに登録した人の数は2000人、最後は5500人まで増えたのです。このときにネットの勢いを痛感しました。