新ドラマ『いつか、ヒーロー』では児童養護施設で育ったアラサー女性を演じる
──児童養護施設で育ったゆかりたちアラサーの男女が、かつて施設で面倒を見てもらっていた職員の赤山誠司(桐谷健太)と一緒に、世の中を相手に戦っていく、社会派なストーリーですね。
「台本を読んで、一人ひとりの登場人物への解像度が高いなと思いました。“ゆかりは何を考えて生きてきて、彼女ならどう行動するんだろう?”のヒントが、台本の至る所にあって。私自身の想像力が、より刺激されました。現場に入ったときに、実は解釈が違ったという結果になるかもしれませんが(笑)、私なりのゆかりのイメージはどんどん固まってきました」
──彼女の人柄で、共感できるところはいかがでしょうか?
「人前では真面目でいようと思う人なのですが、裏表があるとか猫をかぶっているわけではなくて、どちらも地続きでゆかりの人柄の一部だと思います。それは私たちにもいえることで、誰しもいろいろな顔を持って生きています。家族や友達に見せる姿、会社での姿、自分ひとりでいるときの姿って全部違うなと思っていて、いい子なところも悪いところも、彼女の個性としてみなさんに愛していただけたら嬉しいです」

──なるほど。ゆかりを演じるにあたって、クランクイン前に準備したことはありますか。
「児童養護施設が舞台の『大きな家』(2024年)というドキュメンタリー映画を、監督にお勧めしていただき、観に行きました。これを観ていなかったら、全く違う演技になっただろうなと思うほど、施設で暮らす子どもたちの環境を学べて。
ゆかりは介護士でもあるので、介護士のリアルについても勉強しています。資格によってできる仕事も給料も違ってきたりを知ることで、彼女の人生をもっとていねいに伝えられるかなと考えて、現在進行形で掘り下げ中です」