仕事から離れた遠い地で“得たもの”

 海外に足を運ぶ度に、行く先々で友達が増えたようだ。

「アメリカ人の友達は、僕のことをすごく心配してくれていました。だからこそ、違う国に行くと言ったときは、その行先にいる友達を紹介してくれたんです。それだけではなく、自分でも積極的に現地のアクティビティに参加したりして、友達をつくることを意識していました。若いときに抱いていた、“世界中に友達をつくりたい”という夢が、図らずもかなった瞬間でした」

與真司郎 撮影/有坂政晴

 さらに、自分らしさを戻してくれたのは、応援してくれる人たちの存在だった。

「カミングアウトをしてからも、トークショーを開催したらたくさんのファンの方々が来てくれました。そして、AAAメンバーの宇野実彩子のライブにゲスト出演したんです。そこで、同じAAAのメンバーといえど、普段僕を熱心に応援してくださっている人たち以外の方からも、以前と同じように受け入れてもらえていることを感じ、徐々に自信を取り戻すことができました。
 とはいえ、その直後はアメリカでの仕事が増え、大きなプレッシャーが降りかかることも多く、自分にとってのほどよいワークバランスを見つけるまでに、かなりの時間がかかりました。やっと最近、自分に合ったペースで仕事ができている気がします」