自分を偽らなくなったことでついた“自信”。その本当の意味

 そんな新たな経験を重ねることで、彼自身の性格も少し変わってきたようだ。

「これまでは“完璧でいなくてはいけない”という思いが強すぎて、常に大きなプレッシャーがあったんです。そうしないと、認めてもらえないような気がしていたんですよね。でも、いまは少しリラックスできるようになりましたし、たまにあるバックラッシュを目にしても、“自分には信頼している家族も、友達もスタッフも、何よりステキなファンもいるから十分幸せじゃん”って思えるようになったんです。
 数年前までは、いろいろな人が“自信を持て”と言っていたことに、“どうやってやんねん”って思っていたのですが(笑)、最近はその本当の意味が分かってきたんです。自信がつくと、自分と価値観が違う他人の意見があまり気にならなくなるんですよね。それよりも、自分が信頼している人や、応援してくれているファンのみなさん、スタッフ、友達が認めてくれるような人生を生きていたら、それがもう正解だということに、やっと気が付いたんです」

與真司郎 撮影/有坂政晴

 自己肯定感が高まったいま、あらためて楽しくなってきたのが、ステージだ。

「いま、本当に歌うこと、パフォーマンスをすることが楽しいんです。無理やりカッコつけなくてもいいですし、最初から最後までキラキラしていないといけないというプレッシャーがないんです。すごく人生がラクになりました。カミングアウトをする前は、大きな不安、孤独感だらけで、何をしても、心から楽しいと思うことは少なくて……」