好きで見に行った『熱海五郎一座』からの出演オファーに感謝も

 昨年の「熱海五郎一座」 では、新橋演舞場シリーズ第10回の記念とその前身である「伊東四朗一座」旗揚げから20年を記念し、伊東四朗さんがゲスト出演したことも話題を呼んだ。伊東さんとはドラマ『おかしな刑事』で20年余り、親子役を演じてきた。

「長く親子役をやらせてもらって、この世界のお父さん……というか、お父さん以上の存在だなと思っています。伊東さんは若いころに、芝居が好きで芝居小屋に通っていたら、その劇場の方に顔を覚えられて、“おまえ出ないか?”と誘われたのが、この世界に入るきっかけになったそうなんです。
 私も今回そんな機会をもらった感じがしています。好きで『熱海五郎一座』を見に行っていたら、声をかけていただいた、というような。これは“できる・できない”じゃなくて、チャレンジだなって。ありがたいことだなと思いました」

『熱海五郎一座』は座長・三宅裕司さんが作る東京の軽演劇。前身である『伊東四朗一座』旗揚げ2004年から公演を重ね、21年目。“大ファン”の立場であったという羽田さんが思う『熱海五郎一座』の魅力とは。

「3年前に亡くなった私の父は、落語や喜劇など、昭和の演芸が大好きで。その影響か、私も人を笑顔にする昭和の演芸の空気感って、すごく好きなんです。三宅裕司さんは、まさにその世界を大事にされてると思うんですけど、私たち世代の人間にとっても、どこか懐かしくホッとできる、リラックスできる空間を作ってくださってるんですね」

羽田美智子 撮影/有坂政晴