唯一無二ともいえるスマートな輝きを放つ俳優・町田啓太。リアルなキャラから歴史上の人物までこれまで実に多彩に表現し続けてきた。町田啓太の”THE CHANGE”とは──。【第2回/全2回】

俳優として今年でキャリア15年目を迎える町田啓太さん。人生におけるターニングポイントといったら……。
「大学進学のために上京したこと、ですかね。大学だけではなくて高校進学の時も学校選びではけっこう思い切った決断をしたので、それも転機になっていると思います」
群馬県出身の町田さんは石川県の高校に進学し、卒業後は東京の大学へと進んだ。最初の大きな転機はこの学生時代の進路決断だったと話す。その後、2010年「第3回劇団EXILEオーディション」に合格し、同年12月に『ろくでなしBLUES』で俳優としての活動をスタートさせる。ターニングポイントになった作品について尋ねると、過去を振り返りつつ、いくつかの作品を挙げてくれた。
「ターニングポイントは出させてもらった作品それぞれにありました。そこでの出会いが今に繋がっている感じはあります。初期の頃に出させていただいた連続テレビ小説『花子とアン』(2014年)もそうですし、そのあとに同じNHKの『美女と男子』(2015年)に出演できたことは大きかったですね」
『美女と男子』は芸能マネージャーの一子(仲間由紀恵)と、一子がスカウトした年下の新人俳優・遼が芸能界の頂点を目指すサクセスストーリー。NHK「ドラマ10」枠で放送された。
「僕は遼役でした。仲間さんが演じる一子に街頭でスカウトされ、芸能界でスターダムを駆け上がっていく物語です。まだデビューしたてだった当時の自分と重なる部分もあって、実際に俳優をやっていく上でも転機となった作品でした」
2018年には大河ドラマにも初出演を果たす。薩摩藩士、小松帯刀を演じた『西郷どん』である。その後、2021年には『青天を衝け』、2024年には『光る君へ』と、それほど間を置かずに大河ドラマ3作品に出演している。
「大河ドラマは俳優をされている方、志している方なら誰もが挑戦したいと思うでしょうし、僕の中でもその思いは強かったです。コンスタントに出させてもらえたというのは光栄で、本当に嬉しかったですね。『西郷どん』では小松帯刀、『青天を衝け』では土方歳三を演じさせてもらったんですが、それは長い物語の中のあるポイントでの出演でした。でも『光る君へ』での藤原公任役は10代から60代まで、同じ役をずっと演じさせていただいたんです。それは初めての経験でしたし、歴史的背景も時間をかけて丁寧に描いていく現場のスケールも大河ならではだなと思いました。僕も撮影に入る前にはたくさん調べましたし、演じたことによって自信にも繋がりました。大河ドラマというのは出れば出る程、そういう学びや力になるので、これからももっともっと挑戦していきたいです」