『チェリまほ』に出会ったのはちょうど30歳の時

 町田さんといえば、2020年に放送されたドラマ『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』(テレ東系)もまたターニングポイントになった作品のひとつだ。通称『チェリまほ』は、童貞のまま30歳になった清(赤楚衛二)が“触れた人の心が読める”という魔法を手にしてしまったことから起きる騒動を描いたラブコメ作品。町田さんが扮したのは清の同期で営業部のエース・優一役。この作品はギャラクシー賞月間賞を受賞したほか、SNS上でも国内外で取り上げられた。

「ちょうど30歳の時にこの作品に出会ったんです。日本ではもちろん、世界中の様々な国にお住まいの方々から好評をいただいて、結果、この作品をきっかけに仕事の内容を含め責任のある立ち位置の役を任せていただくことが増えてきたんです」

 その一方で、香港映画『欲望の翼』、『ブエノスアイレス』などで知られる世界的な撮影監督クリストファー・ドイル氏から賜った言葉に大きな影響を受けたという。

「僕が出演させていただいた映画『二階堂家物語』が、2018年の『なら国際映画祭』で上映された時にお会いしたんです。その時、“エナジーを伝えるんだ、繋がりが大事なんだ”ということを話されていて。ドイルさんは俳優や演出家を含めたスタッフたちが作り上げた、その空間やそこから生まれるエネルギーを切り取って画面の向こうに繋げるのが楽しく、それが僕の仕事なんだ、ということを仰っていたんです。僕もそれを聞いて“確かに、エナジーが高ければ高いほど伝わるものも大きいな”と共感して、やっぱり現場には熱量高くいたいなと思いました」