「結果が出なかったら役者を辞める」懸けて挑んだ作品で、また別の世界が見えてきた

──翌年には主演ドラマ『腐女子、うっかりゲイに告る。』(NHK総合)が放送されました。こちらも見ていましたが、素晴らしかったです。まさに金子さんの魅力を生かした役でした。
※『腐女子、うっかりゲイに告る。』・・・浅原ナオトさんの長編青春小説「彼女が好きなものはホモであって僕ではない」のドラマ化作品。月間ギャラクシー賞および、2019年度のテレビ部門奨励賞を受賞。金子さん自身も、第16回コンフィデンスアワード・ドラマ賞で新人賞を受賞した。

「がむしゃらに挑みました。そこまでの全部を詰めてやる! みたいな気持ちがあったと思います。21歳くらいまで本当に、ほとんどオーディションに受からなくて、マネージャーさんにも“23歳までに結果が出なかったら北海道に帰ります”と言ってました。“これでちゃんとやらないと!”と思って臨んだ作品でした」

──結果、とても高い評価を受けました。

「嬉しかったですけど、それよりも実際のLGBTQの当事者の方から手紙をいただいたりしたことが嬉しかったです。評価されて“いえーい!”とかってことより、ちゃんとその人たちに届いたという喜びを初めて実感できたというか。こうした、いい作品に出続けたいと思うきっかけになりました」

 高校卒業から上京し、最初はオーディションに落ちまくっていたという金子さん。最初に大きな評価を得た『腐女子、うっかりゲイに告る。』で、賞に輝いたことよりも、手紙をもらったことの嬉しさを心に留めているところに、金子さんの俳優としての感性を感じる。

金子大地 撮影/有坂政晴

かねこ・だいち
1996年9月26生まれ、北海道出身。「アミューズオーディションフェス2014」にて俳優・モデル部門を受賞しデビュー。以降、映画・ドラマ・CMに多数出演し、2018年の、ドラマ『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)への出演で、ドラマ自体の人気とともに、自身の人気にも火がつく。翌年にはNHKのドラマ『腐女子、うっかりゲイに告る。』(NHK総合)で初主演を果たし、同作品で第16回コンフィデンスアワード・ドラマ賞・新人賞を受賞し、高い評価を得た。主な出演作に映画『殺さない彼と死なない彼女』(2019)『猿楽町で会いましょう』(2021)『先生、私の隣に座っていただけませんか?』(2021)『サマーフィルムにのって』(2021)ROMAN PORNO NOWW『手』(2022)『ナミビアの砂漠』(2024)などがある。大河ドラマ鎌倉殿の13人』『育休刑事』(NHK)『晩餐ブルース』(2025)など。

●作品情報
テアトロコントspecial 惚てってるズ『惚て並み拝見』
脚本:田川啓介(水素74%)、石黒麻衣(劇団普通)
演出:石黒麻衣(劇団普通)
出演:金子大地、前原瑞樹、三村和敬(以上、惚てってるズ)、中尾有伽
会 期:2024年4月25日(金)〜30日(水)
25日(金)19:00開演
26日(土)14:00開演/18:00開演
27日(日)14:00開演/18:00開演
28日(月)19:00開演
29日(火・祝)14:00開演/18:00開演
30日(水)14:00開演
会 場:ユーロライブ(渋谷区円山町1-5 KINOHAUS 2F)
※受付開始・開場は開演の30分前より。

★チケット取り扱い                                               
料金:前売5,000円、当日5,500円 全指定席
<販売>
ローソンチケット https://l-tike.com/hotetteruzu/
ローソン・ミニストップ店頭Loppi(Lコード:33588)