彩の国シェイクスピア・シリーズで指南を受けた
──金子さんの初舞台は2020年の『ヘンリー八世』ですね。
「はい。彩の国シェイクスピア・シリーズです」
──そこで舞台に挑戦してみて、面白いと感じたのが大きかったのでしょうか。
「そうですね。めちゃくちゃ面白かったです」
──彩の国シェイクスピア・シリーズといえば、蜷川幸雄さんから吉田鋼太郎さんが芸術監督を引き継いだ大シリーズです。吉田さんとは『おっさんずラブ』で知った仲とはいえ、舞台人としての吉田さんとの仕事は、光栄であると同時に緊張しますね。
「怖いんだろうなと思ってビビりながら行きました。でもめちゃくちゃ優しかったです。ニナガワカンパニーの人たちの集まりなんだから、僕もめっちゃしごかれるんだろうなと思ってたんですよ。
それまで舞台の板の上にも立ったことがなかったですし。『ヘンリー八世』は主演が阿部寛さんで、どうやら最後は阿部さんと僕のお芝居で終わるらしいと。だけど(台本を)読んでも理解できない感じだし」
──聞いているだけで緊張しますね。
「手取り足取り全部、鋼太郎さんが教えてくださいました。“俺のまねをしろ”みたいに、まず鋼太郎さんがやってくれて、それをやってみる、といった感じで最初はやっていきました」
──2022年には再演もありました。
「そこで少しだけ自由にやれた気はします。そこからシェイクスピアのことも好きになりました。また呼んでもらいたいです」
──ではやはり舞台が好きになったのは、吉田さんの影響が大きいですね。
「楽しいって思えました」