今回登場してくれたのは女優の井上晴美さん。かつては、トレンディドラマにも出演し、雑誌の表紙を飾った彼女も今では3人のお子さんを育てるお母さん。2011年から始まった地元・熊本での生活から、昨年1月に亡くなったカメラマンの篠山紀信さんとの撮影秘話まで根掘り葉掘り話を聞いてみました。【第2回/全2回】

ーーどうして、お店をしてみようと考えたんでしょうか?
「若い頃から、お店はやってみたくって。特にカウンターのお店が好きで、オープンしてみたかったんです。8席だけの狭いお店ですが、楽しくやっています」
ーーかっこいい! お店をやっていて面白い瞬間はありますか?
「手作り感があるところかな。この前も、お客さんが間接照明の使い方を教えてくれたので、お店の中に取り付けてみようと考えているところです」
ーーお客さんとの間で、コミュニケーションが生まれていますね。
「私は人が好きです。現代っ子は学校が終わったら、バイバイして家に帰って、ゲームの中で会うみたいな感じでしょう。すごい無機質だなって。私が小学生だった頃は、家に帰ったらチャリンコに乗って、外で喧嘩してビービー泣いてっていうのが普通だった。人と接しないことには、他人の気持ちなんて理解できないでしょう」
ーーその通りですね。
「ウチはテレビがないんですよ」
ーーそうなんですか!
「面白いですよ。一人が“今日、学校で、こんなことがあって”と話し始めると、他の子たちも自分の意見を話し始めますから。テレビなしの生活は、子供のコミュニケーション能力を鍛えるには、もってこいです」
ーー独特な子育て術ですね。他にも、何か特別なことをされていますか?
「興味を持ったことは体験させてあげたいと思っています。娘は動物に興味があるみたいで、近所のお爺さんが猪の解体をするときには、一緒に、さばかせてもらいます」
ーー好奇心旺盛ですね。
「子供には型にハマらない生き方をしてほしいんです。私もそうだったから。“他の人が簡単になれない仕事をしたい”と思って女優になったので」