1996年8月、ミュージックシーンに登場した4人組ダンス&ボーカルグループ「SPEED」。平均年齢13.5歳、メンバー全員が沖縄出身の小・中学生という少女たちから発せられたパッションは瞬く間に日本中を席巻した。当時、メンバー最年少でメインボーカルを務めた島袋寛子は現在もシンガーとしてはもちろん、最近では俳優という新しいステージでの表現にも挑戦している。そんな島袋さんのデビューから30年弱という時間の中で体験したTHE CHANGEについて訊いてみた──。【第3回/全4回】

「SPEED」デビュー当時、メンバーの平均年齢は13.5歳。メンバー全員が小中学生であり、島袋さんは最年少の小学6年生で12歳だった。デビュー曲の『Body&Soul』から約3か月後には2ndシングル『STEADY』をリリース。この歌はドラマ『イタズラなKiss』(柏原崇&佐藤藍子のW主演によるラブコメもの)の主題歌でもあった。これがミリオンセラーとなり、人気、実力ともに確実なものになった。
「ミリオン……って、そんなにいきましたっけ?! でも、初登場が2位ですごく悔しがりましたね。すごく憶えているのは“1作目ももちろん大事だけど、2作目はもっとすご~く大事だよ”って周りの大人たちが言うんですよ。結果的にミリオンにはなりましたけど、数字で言われてもピンとは来ないんです。そういう結果を気にする以上に、毎日、歌って踊って、パフォーマンスに必要なことを取り入れることに必死で目まぐるしかったんです」
98年にリリースした8枚目のシングル『ALL MY TRUELOVE』のカップリング曲『見つめていたい』でhiro名義での初めて楽曲を発表した。
「ソロとしての最初で、それも提案があってのことだったんだと思うんです。ついこの前、たまたまですが、『見つめていたい』のミュージックビデオを見たんですが、メッチャ気合が入って頑張っているんですよ(笑)。だから、“あ、私、ソロでやるんだ、そうなんだね”って軽い感じじゃなくて、グループで頑張りながらもちゃんとソロでやることについて子供なりに感じていたんだと思うんですよね。このとき絵理ちゃん(今井絵理子)も『冷たくしないで』で一緒にソロデビューしていて、一枚の同じ盤に入るということで、自分の持っているものを全部出さなきゃ……みたいな意識はあったと思いますね」