1996年8月、ミュージックシーンに登場した4人組ダンス&ボーカルグループ「SPEED」。平均年齢13.5歳、メンバー全員が沖縄出身の小・中学生という少女たちから発せられたパッションは瞬く間に日本中を席巻した。当時、メンバー最年少でメインボーカルを務めた島袋寛子は現在もシンガーとしてはもちろん、最近では俳優という新しいステージでの表現にも挑戦している。そんな島袋さんのデビューから30年弱という時間の中で体験したTHE CHANGEについて訊いてみた──。【第4回/全4回】

2000年3月に、それまで活動していたダンス&ボーカルグループ「SPPED」が解散となり、それからは島袋さんにとってのソロとしての歩みは“自分探し”でもあった。
「10代後半からずっと探し続けている感があるんですけど」
そう笑いながら語ってくれる島袋さんに「いま現在も続いているんですか?」と尋ねると、
「いやいや、さすがに今はもう(笑)。40歳を前にして仕事の面でも人生の面でも、色んな経験があって。そうなると、やっぱり考え方とか捉え方とか色々変わってきますよね。人との出会いによっても広がりが出てきて。だから、40歳の手前でガラッと変わりました」
「どんなふうにガラッと変わったんですか」と訊くと、数秒間黙考して、
「自分で自分に良しとする、YESと言ってあげられるというか。解散から30年近くも経って、過去をすべて受け止めたというんでしょうか。ずっとひとつの同じ職業を続けてきたことによって、気が付いたら“ちょっと出口のところにいるのかも”って思えてきたんです。自分自身がちょっと変わってきたな、受け止められているかなって思ったところから違う流れが始まりました。それが40歳になった時のことだったんです。自分の弱さも受け止めた上で、本当の意味で進んでいく、それもより軽やかに……ちょっとは生き方が判ってきたのかな、ということかもしれないですよね」