お笑い好きや同業者から“天才”と評されていたものの、地下活動歴は約25年。唯一無二のエピソードトークで聴く者を惹きつけてやまないピン芸人・チャンス大城さん。昨年はついにRー1グランプリで決勝のステージを踏み話題となった。4月18日には初の怪談本『チャンス大城の霊怖 人怖』(ヨシモトブックス)を上梓するなど幅広い活躍を見せている。一筋縄ではいかないだろうチャンス大城さんのTHE CHANGEとは。【第1回/全5回】

チャンス大城 撮影/有坂政晴

 ここは新宿・歌舞伎町のど真ん中にある吉本本社。昔ながらの小学校をそのまま居抜きでオフィスとして使用しているからか、昼間でも自然光が入らない階段は、なんだかとても不気味に見える。薄暗い階段に佇んでもらい撮影し、取材場所となる1室に向かう。「社内で怖い目に遭ったことってありますか?」と聞くと、チャンス大城さんは「ああ、はい、ありますわ……」と情感たっぷりに切り出し、「ここの上ですわ」と、我々がたったいま入ったばかりの部屋の天井を指す。

「『恐怖!怪談肝試しクッキング4K』っていう番組に呼んでもらって、そこの部屋が控室になってて、出番待ちのぁみちゃんと一緒に喋ってたら、壁の内側から、ドーーーンッ! ってすっごい音が聞こえて震動を感じたんですよ」