ぁみちゃん、とは、怪談家として知られるありがとうのぁみさんのこと。怖い話を披露するために呼ばれた2人に、突然怪奇現象に遭ったというのだ。
ーー隣の部屋からの壁ドンではなく?
「明らかに内側でした。もうふたりで顔を見合わせてめっちゃビビって。ぁみちゃんって人から聞いた話をするんですよね。だから直接自分で体験して、めっちゃビビってたと思いますよ。リアルにこんな顔(目を見開き固まる)してました。ぁみちゃん、オッシャレやったな~。そのあとの本番で『たった10分前の話なんですけど、していいですか?』って話し始めて。入り方がめっちゃオシャレやったわ」

3人しか落ちない高校に落ちた
「山に埋められた話」「拳銃を突きつけられた話」など、一度聞くと二度と忘れられないほど唯一無二の独特な体験談を数多持つチャンス大城さんは、「怖い話」も豊富なのだ。ご本人は改めて怪談として語るまでもなく、いつものエピソードトークと同様に、「背中についた霊と一緒に『細かすぎて』で開いた床に落ちていった」などその身に降りかかったことを喋る。この日は4月18日に上梓した新刊『チャンス大城の霊怖 人怖』(ヨシモトブックス)に際した取材で、心霊にかんする話を聞いていたのだ、が。
「3人しか落ちない高校に落ちたんですね。あとのふたりがシンナー中毒だったんです」
いま思い出した話、として、「こうやって本が出来上がってから思い出すんすよね」とチャンス大城さんは唐突に話し始めた。
「合格発表に行ったとき、もちろん番号がないんですよ。僕もね。吉本に入りたかったので高校なんか行かんでもね、よかったんですけどね。それで帰ろうと思ったら、落ちた2人も僕を見つけて、“俺らも落ちたよ。恥ずかしいから裏門から帰ろうぜ”って。ほんだら、廃墟に連れていくんですよね。
それで"打ち上げや”言うて。一斗缶にシンナーが入ってて、袋に入れてって、"おまえも持て”つって。僕は吸いたくなかったから、袋をきゅっとして口をつけて、で、僕はやっぱり演技派なんで、いきなり回ったら早いかもなあと思って20分くらい経ってから呂律が回らないお芝居をするんですね」
チャンス大城さんは、「こうやってね」と言いながら顔を作り、体をゆらゆらと不安定に動かす。