もっと意地悪にも出来たけど……
演じる遥子はとても息子思いのところがあるようにも感じられた。
「龍馬は、朴訥で不器用な子だと思うんです。だから遥子には、それを後押しするのが母としての役目と割り切ったところがあるのかもしれませんね。稼業を継いで、夫がいない分を補いながら一生懸命生きてきて、一人息子である龍馬を大事にしている。そこにあゆみというお嫁さんが入ってきたことによって色々なことがあったんでしょうけど、それでも三人で理解しながら生きてきたんだと思うんです。そういう意味では息子をとても信頼しているし、とても愛しているんだと思いますね」

一方、息子の嫁・あゆみにたいしてはどこか高圧的にも見えるがーー。
「遥子さんはポジティブな明るい性格で、家の中が妙な雰囲気になるのが嫌なだけで、高圧的ではないと思うんです。むしろ、正直だと思います。あゆみと二人で食事をするシーンで、作ってくれたあゆみに“薄味ね”って言うんですけど、“塩分控えめにしなきゃいけないのは判っているわよ”という思いがあってなので、別に嫌味っぽく言っているのではないと思うんです。その部分も含め、もっと意地悪にも出来たと思いますけど、今回は、いまおかしんじ監督から“そこそこに”という細かい演出がありましたので」