『ウルトラマンZ』の主人公として知られる俳優の平野宏周さん。ここ数年はバリエーション豊かな出演作を増やしさらなる躍進が期待されるなか、6月20日(金)より配信がスタートする、同性同士の恋愛を繊細に描いたドラマ『被写界深度』では主人公のひとりを演じる。周囲にポジティブな心地をもたらす平野さんのTHE CHANGEには、明るさだけではない意外な辛酸も滲んでいた。【第1回/全5回】

「僕の話を聞いてくださるなんてうれしいです! よろしくお願いします」と、親しみやすい笑顔で頭を下げる平野宏周さんだが、撮影となると一転してそのオーラが変化する。長身が映える立ち姿は、自然体でありながらフォトジェニック。が、カメラマンがレンズから目を離すととたんに駆け寄り「そのカメラって……」と、距離を詰める。
ギャップの連続で現場をあたためる平野さんは、6月20日より配信スタートするドラマ『被写界深度』(FOD)で主人公のひとりを演じる。多くのファンを擁するコミックを原作とした同作、その物語は宇佐卓真さん演じる高校生・早川秀一郎と平野さん演じる同級生の紺野遼平の、じりじりと変化する関係性やそれぞれの挫折や成長を描いている。
ーーさきほどカメラマンとカメラのことを話していましたね。
「今回の役がカメラ好きの男の子で、勉強したんです。現場に入る前、普段フィルムカメラを使っている方にご指導いただき、フィルムの巻き方も一応教えてもらって。プラス、自己満足レベルですが超初歩の初心者向けカメラ入門書を買って、読みました。それを読んでおけば、お守りというか、困ったときに役立つかなという準備はしています。どの作品に入るときも、役に向けてなにか普段とは違うことをしようとは思っています」