今回登場してもらったのは、話題作に出演し続けてきた大女優・松下由樹さん。21年ぶりとなる主演作への意気込みから。大好物であるソフトクリームへのこだわりまで、とことん語り尽くしてもらいました。【第2回/全2回】

松下由樹 撮影/小島愛子

ーーその後、出演されたのは『ナースのお仕事』(96年・フジテレビ系)。これはシリーズ化もされ、映画版も作られるほどの大ヒットになりました。

「この作品で、世間の人の中での私のイメージが少し変わってきたのでは。それまでは私が出ると、何かが起きるんじゃないか(笑)……みたいな感じで思われていたんです。
 ドラマの人間関係をひっかき回す嫌な女と思われていたんですが、主人公の朝倉いずみを演じた観月ありさちゃんとのコンビがうまくハマって、私自身の印象が大きく変わったと思いますね」

ーー明るい役柄やバラエティ番組への出演も増えましたね。

「『ココリコミラクルタイプ』(2001年・フジテレビ系)にも出演するようになり、活躍の場が広がりました。コント番組でしたが、いち俳優として参加してほしいというオファーだったんです。
 自分としてはバラエティをやったことはなかったけど、演じるということには変わりはないので、挑戦してみようと思いました」

ーー出演後の反響は、いかがでしたか?

「当時、“女優さんがなんでバラエティに出るの?”みたいな意見が多かった中で、蟹江敬三さんが“いいよね、どんどん、やりなよ”って言ってくださったんです。その言葉は、すごく励みになりました」

ーーとはいえ、不安もあったのでは?

「毎週トークをするみたいな経験はなかったので、そっちのほうが心配でしたね。コントの撮影自体は3分ぐらいの短い時間の中でピックアップした人物像を見せるという芝居。別に笑わせようと思ってやっていたわけではありません。アドリブもなく台本通りの演出があって、“せーのっ!”で一斉に撮っていました」

ーーミスをしたら、撮り直しですか?

「そうです。ただ、コントをやったことで芝居の表現の幅は広がりました。出て良かったと思います」