自分の中でイメージを膨らませるために、一人の時間を設けています

ーー他にも、転機となった出会いはありますか?

「近藤正臣さんですね。舞台版『大奥』(11年)で共演した初日だったと思うんですが、“夢中になりすぎるなよ”って声をかけられて。
 夢中になって集中しちゃうと視野が狭くなる、俯瞰で見る目がなくなるという意味だと思うんです。それと、“冷静に”とも言われました」

松下由樹

ーー年々、お芝居の円熟味が増す松下さんは現在、56歳です。50代になって変わったことはありますか。

「一人時間を楽しむ、ということですかね。自分の中でイメージを膨らませるために、一人の時間を設けています。
 最近は歩いたりするのも好きで、何も考えずにただ風を感じたり、きれいな景色を発見したり、食事に行ったり。そういう時間を若いときは持てなかったので」

ーー一人時間が増えたことによって、仕事にも影響がありましたか。

「すごくプラスになっていますね。生活がどんどん便利になっていく一方で、想像力とか欠けていってると思うんです。そんな中で、想像したり、空想するという一人の時間の大切さを感じたという部分で、プラスになっていると思います」

ーー歩くのが好きということですが、最近、どこかに行きましたか?

「カフェにはよく行きますね。私、名古屋出身なので喫茶店文化になじみがあって、喫茶店大好きなんですよ。子供の頃からなじみのある空間で、毎週日曜には家族で行ってモーニングを食べたりとか。レトロな喫茶店が大好きですね」

ーーちょっと前にレトロ喫茶が流行りましたね。好きなメニューはあるんですか。

「ソフトクリーム! 子供の頃からスガキヤで食べたソフトクリームのおいしさが忘れられないんです。パフェ……ではなくサンデーと呼んでいますが、アラモード系とか、昭和のメニューが好きなんです」

ーーそれじゃ、松下さんとのデートはスガキヤのソフトクリームですね。

「アハハ。ま、そうですね」

松下由樹(まつしたゆき)
1968年7月9日、愛知県生まれ。O型。T168。1983年に映画『アイコ十六歳』でデビュー。92年には第15回日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞。『ディアマイベイビー~私があなたを支配するまで~』は毎週金曜深夜24時12分~放送中。