中森明菜『SOLITUDE』に登場するホテルは新宿にあった
『恋におちて』と同じ年にリリースされたのが中森明菜さんの『SOLITUDE』。この曲の冒頭の非常口で爪切りをするという旨のフレーズは、映像的で、ドラマティックな世界だが、実は思わぬところから生まれたものだという。
「あの非常口は新宿のホテルなんです。そのころ私は国立に住んでいて、国立から都心にいつも自分で運転するとき、中央高速がまだ半分しかできていなかったので、中央高速を途中で降りていくんです。
当時まだ子どもが6歳ぐらいで、長く車に乗っていると退屈しちゃうんですよね。そうすると都心にはビルがいっぱいあって、そのビルを怪獣に見立てて、“あれを撃て!”とか“こっちを撃て!”とか言いながら運転していたんです。その都心のビルが怪獣だったの。その怪獣の一つが京王プラザホテルなんですけど、非常階段のところに、赤いライトが点いてるんですね。怪獣ごっこをするときはその赤いライトを怪獣の目に見立てて(笑)。そこが歌詞を書くときに出てきたのね。全然ロマンティックじゃないけど(笑)」