いわずと知れた宝塚歌劇団元トップスターの大地真央。退団後も、スカーレットを務めた『風と共に去りぬ』やイライザ役を演じた『マイ・フェア・レディ』にはじまり、数々のミュージカルで主演を務め躍進。退団から40年となる現在も、絶対的なオーラで舞台はもちろん、ドラマにCMにと多方面で輝き続けている。今年は意外にも映画では初主演となる『ゴッドマザー』も公開。そんな大地さんのTHE CHANGEとは――。【第1回/全4回】

大地真央 撮影/三浦龍司

 まっすぐ背筋を伸ばしカメラを見据える大地さん。カメラマンの要望に応えながら優雅にポーズを切り替えていく姿からは純然たるスターの輝きがビシバシ伝わってくる。

 新作映画『ゴッドマザー〜コシノアヤコの生涯〜』で、大地さんはコシノ三姉妹の母、コシノアヤコを演じた。コシノアヤコさんをモデルにした物語といえば、連続テレビ小説『カーネーション』が有名だが、本作はまた違った、大地さんが主演だからこその魅力を放ちながら、アヤコさんの人生を振り返る。

 パワフルに自らの人生を進めていったアヤコさん。演じた大地さん自身の祖母も、非常に「かっこいい人だった」という。

「かっこいいというか、まあ、怖い人でしたね(笑)。明治生まれで、40歳から庄屋を取り仕切ってきた人ですからね。女手一つで5人の子どもを立派に育てて、長男は淡路島から初めて現在の東大に出しました。厳しい人で、いとこはみんな“怖い”と言ってましたね。ただ私は一番下の孫でしたので、そんなに怖い感じはなかったんです」と振り返る。

――入院されていた際にも、しっかりされていたと。

「“くし、鏡!”と指示を出して、身だしなみを整えていましたね。そのとき、かぎ針で手編みのショールを私に作ってくれたんですよ。和裁もできて、いろんなことができる人でした」