男役へのこだわりが生まれ、表現への探究心を徹底

 最初は男役でも女役でもどちらでもよかったのですが、入ってみて、この世界でやるなら宝塚でしかできない“男役”をやろうと思いました。そこから、他のお芝居を見たり、もう少ししてからですがブロードウェイに行って、男優さんのお芝居を見て、男役を研究していくうちに、夢中になっていった感じです」

――“男ではなく男役”を研究したんですね。

「あくまで理想像の男性ですから。その辺が面白かったですね。ただショーの中で、たまに女役のシーンをいただくことがあって、そうしたとき、男役をやっている者は、あまり女っぽくやらないほうがいいという助言も当時はあったんです。でも私は、やるからには男は男っぽく、女は女っぽくと徹底してやりたい。そういう主義でしたし、徹底してやりたかった。そこは今も変わっていないかもしれません」

そんな大地さんだからこそ、トップで走り続けているのだ。

だいち・まお
 1956年2月5日生、兵庫県出身。1971年に宝塚音楽学校に入学し、73年に宝塚歌劇団に入団。82年に月組トップスターとなり、一時代を築いた。84年に退団。宝塚歌劇団100周年を記念した「宝塚歌劇の殿堂」設立当初からの100人に選ばれ殿堂入りを果たしている。退団後の主演舞台は『風と共に去りぬ』『マイ・フェア・レディ』『エニシング・ゴーズ』『ローマの休日』『夫婦漫才』『最高のオバハン中島ハルコ』など多数。文化庁芸術祭賞大賞、菊田一夫演劇賞特別賞、松尾芸能賞演劇優秀賞ほか受賞歴も多数。主な出演ドラマに『越路吹雪物語』『最高のオバハン中島ハルコ』『正直不動産』など。映画、CMでも幅広く活躍中。2025年は映画初主演となる『ゴッドマザー〜コシノアヤコの生涯〜』が公開。

『ゴッドマザー〜コシノアヤコの生涯〜』
監督・撮影:曽根剛
脚本:池田テツヒロ
出演:大地真央、黒谷友香、鈴木砂羽、水上京香、温水洋一、木村祐一、市川右團次
配給・製作:日活、東京テアトル